5. 照査
5.1 照査の視点
Point.1 合理的な照査をおこなう
3次元地質・地盤モデルを構築する際は、最適なワークフローに則り、合理的に品質を評価する照査をおこないます。
■3次元地質・地盤モデルの照査
合理的に品質を評価するには、ワークフローの要所で照査が必要となります。3次元地質モデル構築のワークフローに対応する照査の例を図5.1-1に示します。
図5.1-1 3次元地質モデル構築のワークフローに対応する照査の例(引用:1)
■照査に必要な視点
3次元地質モデル構築において、受注者が実施する照査の要点を以下に挙げます。要点に沿った照査記録シートの作成・記入例を表5.1-1に示します。
ⅰ) 照査計画の策定
作業実施前に、下記の基本条件・細部条件・要求事項・成果品の各段階における照査内容・対象を確認し、照査計画を策定したか
ⅱ) 基本条件の照査
ⅱ-1) モデリング計画確認
3次元地質モデルを構築するための基本条件を決定し、以降の作業計画を合理的に組み立て
ているか
ⅱ-2) 地質調査データの品質確認
使用する地質調査データの信頼性について、既存報告書等で把握しているか
ⅲ) 細部条件の照査
ⅲ-1) 品質チェックシート確認
収集した資料は、目的や必要範囲に合致した3次元地質モデルを構築できる品質を有しているか
ⅲ-2)3次元データ化確認
3次元地質モデル構築に必要なデータを3次元化しているか、もしくは3次元地質解析システムで
扱える状態にデータベース化しているか
ⅲ-3) データ修正方針の確認
不適合が認められたデータについて、どのように修正あるいは棄却するかの基準や方針を
立てているか
ⅲ-4) 地質対比方法の確認
地質対比をおこなうための手法や対比の根拠となる基準は適切か
ⅲ-5) 補間アルゴリズム記録シート確認
補間アルゴリズムについて、地質事象に応じた手法を使用し、補間パラメータを正確に
記録しているか
ⅳ) 要求事項の照査
ⅳ-1)作成モデルリスト確認
成果品を作成するために必要なモデルが揃っているか
ⅳ-2)作成モデル妥当性確認
成果品を作成するために妥当なモデルとなっているか
ⅴ) 成果品の照査
ⅴ-1) 成果品確認
要求事項を満たした成果品が揃っているか
ⅴ-2) 照査記録シート・引継シート作成
照査結果やCIM モデル作成事前協議・引継書シートを記録として残し、確実に次工程に
継承できるようにしているか